Oculus VRのE3イベント”Step into the Rift”まとめ – Oculus Rift製品版、Oculus Touchなどが発表

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日本時間12日午前2時(太平洋時間11日午前10時)、Oculus VRは”Step into the Rift”と称したイベントを開催しました。以下に発表内容と考察を記します。

以前から公式サイトで外見の一部が公開されていたOculus Rift製品版が正式に発表となりました。

CEOのBrendan Iribe氏によって片手で持たれるOculus Rift製品版
CEOのBrendan Iribe氏によって片手で持たれるOculus Rift製品版

Oculus Rift製品版は片手で持てるほど軽く、ファブリック素材で覆われています。指紋付着防止だけでなく滑り止め防止効果も期待できそうです。イベントの映像や画像から判断するに、DK2より更に一回り小さくなった印象も受けます。

本体は人間工学に基づいたデザインがなされ、”野球キャップをかぶるように”装着が可能だそうです。

ツマミにより両目の間の距離を調整
レバーにより両目の間の距離を調整

また、レバーを使うことによって両目の間の距離を調整可能。

本体付属のヘッドフォン。統合されたVR用オーディオシステム搭載
本体付属のヘッドフォン。統合されたVR用オーディオシステム搭載

ヘッドフォンが付属。ユーザーの顔に当たる部分も含め、自由に取り外しができます。Oculus Rift製品版には統合されたVR用オーディオシステムが搭載され、”本当に別の場所にいるような”体験ができます。(公式サイトより)これは直近までの最新プロトタイプ、Crescent Bayの特徴でもありました。ユーザーの顔に当たる部分のクッションは汚れなどの問題があり、またコストもかからないため予備のクッションも同梱されるのだろうと予想します。

また、Oculus Rift本体や後述するOculus Touchに取り付けられたモーショントラッキング用のLEDを補足する外部カメラも発表。Crescent Bayまでのwebカメラ風のものと異なり、スタンドがつき単独で置けるものとなっています。これによりユーザーのリーン(覗き込み)動作などがトラッキング可能となっています。

モーショントラッキングカメラ。シンプルなデザインとなっており、立った状態と座った状態両方に対応。
モーショントラッキングカメラ。シンプルなデザインとなっており、立った状態と座った状態両方に対応。

そして、製品版Oculus RiftにはXbox Oneコントローラーが付属することが発表されました。後述するOculus Touchは2016年Q1の出荷に間に合わなかったのでしょう。Oculus VRとしてはVR専用コンテンツが作られることを望んでいるはずで、その達成には独自のコントローラーが多いに尽力するはずですが、XboxOneコントローラーの供給の容易さやコストの安さ、既存のゲームアセットをそのまま流用できる可能性がある点、複雑なゲームデザインが可能な点など様々な良所を勘案しこの決断に至ったと推測できます。また、3人称視点のVR体験ならばXbox Oneコントローラーは最適に機能することでしょう。実際、今回のイベントで披露されたOculus Rift用コンテンツには3人称視点のものが多くありました。

Xbox Oneコントローラー
Xbox Oneコントローラー

Oculus VRとMicrosoftの提携が発表。Oculus RiftはWindows 10にネイティヴ対応し、またVRルーム内でXbox OneやWindows PCのゲームがプレイ可能です(画像参照)。Oculus VRの発表でPhil Spencerの姿を見るとは思いませんでした・・・。

今回のMSとの提携に関する情報は、コントローラー同梱とWindows 10対応に終始しましたが、今はまだ機が熟していないだけでMSが将来VR用Xboxを出すといった意見もあるようです。SCEにはMorpheusがありますし、MSもコンソール用VRで何か手を打ってくることが考えられます。(HoloLensはどちらかというとARを用いPCやスマートデバイスを代替する新しいコンピューティングを示している印象があります)

VRルーム内でXbox Oneのゲームがプレイ可能
VRルーム内でXbox Oneのゲームがプレイ可能
Microsoftとの提携が発表
Microsoftとの提携が発表

また、Oculus VRはVRコンテンツ開発者支援のため1000万ドルの支援の用意があるとのこと。成熟していない市場には必要なことでしょう。

1000万ドルの支援
1000万ドルの支援

Oculus Rift用プラットフォーム「Oculus Home」を発表。Riftを装着するとはじめに現れる部分で、体験するVRコンテンツを選んだり購入(事前にVR体験可)したりできる他に、同じRiftをつけた他のユーザーとソーシャル的なつながりが得られます。詳しくはまだ伝えられていませんが、Oculus VRはVR界のプラットフォームを作れるだけの実力を有しているので、プラットフォームを作るためにソーシャル要素で囲い込みを狙う可能性も考えられるでしょう。(Oculus HomeのUIの左上にBluetoothマークの表示が見られますが、Bluetoothに対応しているのでしょうか?)Oculus HomeはPC上で2Dでも閲覧可能です。

Oculus Home
Oculus Home

そして、one more thing扱いでのOculus Touchの発表。以前言っていたインプットの答えとはXbox Oneコントローラーのことだったのか・・・?と個人的には思っていたところでしたが、Palmer氏が登壇しOculus Touchを発表したことで安心できました。

Oculus Touchを発表し嬉しそうなPalmer氏
Oculus Touchを発表し嬉しそうなPalmer氏
Oculus Touch
Oculus Touch

Oculus Touchは上のような形状をしています。プロジェクト名はHalf Moon。現状では左右それぞれ計2つのボタンに2つのトリガー、ゲームスティックを備えているようです。

スクリーンショット 2015-06-12 15.41.16

 

Oculus Touchを使えばVR空間内のものをつかんだり離したり、様々な動作がごく自然に行えます。軽く長時間の使用に適し、ハプティックフィードバックも備えます。自分の手が本当にVR空間にあるかのような体験をすることができます。

Oculus VRにとっての競合となり得るSCEが擁するProject MorpheusではインプットデバイスとしてPS Moveが、ValveのHTC Viveではlighthouseが示されてきました。両手の位置をトラッキングしボタンやスティック操作を備えるという意味でOculus Touchは本質的に同じようなものに見えます。半月状の部分にトラッキング用LEDのようなものが搭載されているため、PSMoveと比べた場合は両手の位置取得の精度で勝るといった指摘もあるようです。

筆者の個人的には外部トラッキングカメラに統合された形のLeap Motionのようなインプットデバイスや、グローブなどの形状(Palmer氏が否定を示唆するようなツイートもしていましたが)も予想していたのですが結局物理ボタンのついた形に落ち着きました。Leap Motion型は場合により指のトラッキングが正確にできなかったりグローブ型は着脱が煩雑など様々な障害が考えられますが、どのような要素が決定に影響したのでしょうか。やはりコンテンツデザインする以上物理ボタンは必要不可欠なのかもしれません。

また、VR専用コンテンツを市場に期待する上でOculus Touchのような専用コントローラーがHMD本体に同梱されることは市場規模的に非常に大きな意義を持ちますが、今回はOculus Rift製品版への同梱コントローラーはXbox Oneコントローラーのみとなりました。開発が間に合わなかった可能性があります。製品版第2世代以降では同梱に強く期待します。Unite 2015でPalmer氏はNimble VR買収は特にインプットデバイス開発のためではないと明らかにしていましたが、Oculus VRもインプットに関しては時間をかけて取り組んでいるようです。

そして、製品版にVR酔いは許されません。製品版に従来型コントローラーのみを同梱するという判断からは、特異なインプットデバイスに頼らず酔いの問題を克服することは可能と認識してよいのでしょうか。VR酔い防止のためのコンテンツデザインには様々なものがありますが、それらと低遅延、高フレームレートを組み合わせればVR酔い防止は十分に可能とOculus VR側は見なしたと考えられます。Cyberith社のVirtualizerなど、VR酔い克服に力になるであろうVR用入力デバイスは数多く存在してきましたが、ことVR酔い防止という目的に即してはそれらの(恐らく)高価な入力デバイスは不要ということなのでしょう。

Author:齋藤大也


参考URL:https://www.oculus.com/ja/rift/

http://www.twitch.tv/oculus/v/6059513

 

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